猫派の犬の話

エッセイ

私は自他ともに認める猫派で、生まれてからほぼ猫を切らしたことがありません。

子供の頃は猫に今ほど去勢をしている家庭も少なく、猫たちは自由に外を行き来していたから、しょっちゅう子猫が生まれその辺をうろうろしていました。学校から帰ってきたら、我が家の猫が産気づいて一人で出産に立ち会うなんてこともありました。貰ったり拾ったり増えたりして、私のそばにはいつも猫様が近くにいます。

犬って…

犬といえば、幼い頃に祖父が狩猟をするために飼っていた、毛の長いポインターみたいな大きめなのが2匹いました。いつも祖父作の小屋にいたし、狩猟犬だけに「ウォウウォウ」言ってて怖くて近づけませんでした。

小学校に入って、動物好きな母が連れてきたのは

セントバーナード…。

しかもすでに成犬。

子供ながらに何で?と思ったのですが、今思えば心細い母子家庭の我が家に「番犬」として母が大抜擢したのです。

とは言っても小学生の姉と私だけでは散歩には行けず、顔も足も、う⚪︎こも大きくて、バフバフしてヨダレもダラダラで、やっぱり近づけませんでした。

今ならえらいこっちゃですが(当時もか)、時々脱走して(もう一度言いますがセントバーナード…)ご近所から連絡を頂くことがありました。

体は大きいけれど救助犬になるくらい優しい彼女(雌)は、人様を傷つけるようなことはなかったけれど、出くわした方はさぞかしたまげたことでしょう。

その後ももらって来たミックス犬はいたけれど、大人になってからは飼うのは断然猫で、犬を飼うことは考えたことはありませんでした。

初めて自分で決めて迎えた子

ところが、ある日中学生だった上の娘が「友達の家で黒のラブラドールが8匹生まれて引取り手に困っている」と言い「ブリーダーじゃないし予定外だから貰ってくれるだけでありがたい」と。

「じゃ見るだけ」と軽い気持ちで行ったが最後。帰りの車で娘たちは子犬を抱いていました。

…と記憶していたのですが、最近聞いたら私が一番乗り気だったと、口を揃えて言われました。

ラブラドールを飼っていると「お利口なんでしょ」とよく言われるけど、うちの子は多分違います。

子犬の頃から破壊王で、ソファで並んでテレビを観ると言う憧れを早々に諦め、外で飼っていた頃は

頑丈なチェーンを引きちぎり、何度も一人で散歩に行って「ただいまテヘッ」とずるずるとチェーンを引きずって帰ってきたり、

友達に「一人で横断歩道を渡ってたよ」と連絡もらったり、

5日も家出をして大騒ぎの捜索の末、あと少しで自分の家なのにご近所の庭で吠え助けを呼んで、保護してくれたご主人に飛びつくと言うご迷惑をかけ、平謝りすることもありました。

我が家に来てから14年。

そんな彼女は、人間で言ったらかなりのいいお年頃で、ネットで調べたら「100歳を大きく超える老犬」と書いてあり、おばさまどころか、おばあさま犬なのですが、獣医さんも苦笑いするほど衰え知らずの我が家の三女。(とっくに娘たちの歳を超えましたが)

今年の初秋、貸別荘に初めてのお泊まり

私と同じで、あちこち白髪が増えましたが、病院に行くと「この歳でこの体型とこの歯はすごいですね」と褒められるほどバリ元気です。

引っ越ししてすっかりお部屋の犬になってからも、散歩に行く時は張り切って玄関を飛び降り、スタートダッシュでグイグイ、他のお散歩わんちゃんを見つけたらオラオラ馬鹿力を出して私の腕が抜けそうになりますが、基本フレンドリーなので頭なんか撫でられると、すぐ尻尾を振ってお腹を見せます。

家の中でも猫様を追いかけたり、私に並走して足を踏んだりして怒られても全くめげず、いつも頭の上には!とか?とか🎵が出ています…。足音も大きく、いびきも人間並。色んなものを倒して家中を歩きます。

でもいいんです。賢くなくてもいいんです。大切な家族ですので、もう生きて食べて邪魔してるだけで満足です。

そして今日も怒られながらエヘヘっとピッタリ並走してくる婆さん犬に

愛を込めて「ジャマっ」と猫派の私は言うのです。

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